最終更新日:2022年1月12日

低圧・高圧・特高の違いってなんだろう?

低圧」「高圧」「特別高圧」は何が違うの?

はじめに

こんにちは!

エネワールドの田辺です。

「これから太陽光発電プラントを設置しようと思っているけど、低圧と高圧で何が違うの?」

「プラントを中古で購入したいけど、高圧、特別高圧の違いがよくわからない…

本記事は、こんな疑問を持っている方には、ぴったりの内容です。

そもそも電気の契約には、「低圧電力」「高圧電力」「特別高圧電力」がありますが、一体何が違うのでしょうか。

また、何を基準にして、「低圧電力」「高圧電力」「特別高圧電力」か決まるのでしょうか。

太陽光発電システムにおけるメリットも含めて、詳しく解説していきます。

Let's_Get_Started

低圧・高圧・特別高圧の違いって?

各電圧ごとの特徴や違いについて、それぞれ解説します。

低圧・高圧・特別高圧とは

低圧電力・高圧電力・特別高圧電力とは、電圧の分類です。

電圧の大きさによって、法律に基づいて区分されています。

上記でご紹介した低圧・高圧・特別高圧の区分を、簡単に表でまとめます。

区分 定格出力 交流電圧 直流電圧
低圧 50kW未満 600V以下 750V以下
高圧 50kW以上 600V以上7,000V以下 750V以上7,000V以下
特高 2,000kW以上 7,000V超 7,000V超

次は、各電圧ごとの特徴について、解説します。

低圧電力

低圧電力とは、直流で750V以下、交流で600V以下の電圧です。

商店や医院、カフェ、美容院などの事業所から一般家庭まで、使用されています。

低圧電力は自分で変圧設備を用意する必要がなく、お手軽に利用できます。

高圧電力

高圧電力とは、直流で750V超~7000V以下、交流で600V超~7000V以下の電圧です。

中小ビルや中小規模向上などで使用されてます。

高圧電力は、柱上変圧器(トランス)の手前で6600Vまで電圧を下げられています。

この高圧電力を、キュービクルという自家用の変圧設備を利用して、電圧を100Vまたは200Vに下げて使います。

キュービクルとは

キュービクルとは、発電所から送られてくる高圧の電気を、施設で使える電圧まで変圧する設備です。

自分の契約電力が、低圧なのか高圧なのか、キュービクルの有無によって確認できます。

キュービクルがあれば高圧ですし、なければ低圧ということになります。

あるいは、電気料金の請求書に、供給電圧が6kV以上という記載があれば、高圧電力ということになります。

電力会社によっては、「高圧」という言葉を使わないプラン名になっている可能性があるのでご注意ください。

特別高圧電力

特別高圧電力とは、直流・交流ともに7000V超の電圧のことです。

大規模工場やデパート、大量の電力を使用する施設で主に用いられます。

特別高圧を省略して、「特高」とも呼ばれます。

大量の電気が必要な工場などで必要な電流を流すためには、非常に大きな電圧が必要となります。

そのため、工場内に直接、送電線を変電所から引き込み、電流を流す必要があります。

低圧や高圧に比べて電圧が高いため、事故が発生しないように、安全に配慮が必要です。

電気が届くまでの流れ

電気はどのような流れで、各施設へと送電されているのでしょうか?

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電気は、発電所でつくられてから変電所を経由して送電線によって送られています。

つくられた時点では数千V~数十万Vの電圧ですが、効率よく送電するために、変電所で変電されています。

送られた電力は、各地にある変電所で電圧を下げられ、まず大工場や鉄道会社に送られ、次に企業や中小工場に送られます。

そして最後に電柱の上の柱状変圧器(トランス)によって、100Vまたは200Vに電圧を下げられた電力が、各家庭に供給されます。

電気が届くまでの流れ

太陽光発電システムにおけるメリット

低圧・高圧・特別高圧の太陽光発電システムの特徴とメリットについて、それぞれご紹介していきます。

低圧太陽光発電システム

低圧太陽光発電システムは、定格出力が50kW未満の太陽光発電システムを指します。

電気事業法上では、一般用電気工作物と定義されています。

また、「交流電圧で600V以下」、「直流電圧で750V以下」という条件も、電気事業法によって定められています。

高圧以上では、保安規程の届け出や電気主任技術者の選任といった義務が必要になります。

さらに、高額なキュービクル(変圧器)の設置も必要となります。

はじめて太陽光発電を設置する方には、低圧太陽光発電システムがオススメです。

低圧太陽光発電システムのメリット

  • 「保安規程の届け出」や「電気主任技術者の選任」が不要
  • 設置の初期費用やランニングコストが安く、比較的手軽に開始可能
  • 必要な土地面積が小さい
  • 高圧や特高よりも、比較的早く、売電収入が得られる

高圧太陽光発電システム

高圧太陽光発電システムは、定格出力が50kW以上~2000kW未満の太陽光発電システムを指します。

電気事業法上では、自家用電気工作物と定義されています。

また、「交流電圧が600Vより大きい」、「直流電圧が750Vより大きい」という条件も、電気事業法によって定められています。

高圧太陽光発電システムでは、電気事業法により、以下の義務が発生します。

  • 保安規程を定め、管轄の消防署等へ届け出る義務
  • 電気主任技術者の選任を行い、届け出る義務
  • 第一種工事士または認定電気工事従事者による作業義務
  • キュービクル(変圧器)の設置が必要

経済産業大臣又は産業保安監督部長の承認を得て、自家用電気工作物に関する保安管理業務を外部に委託することもできます。

高圧太陽光発電システムのメリット

  • 低圧に比べて発電量が多いため、売電収入が増える
  • 低圧よりも、1kWあたりのシステム単価が安い
  • 1kwあたりの工事代が安く、投資利回りが良い

特別高圧太陽光発電システム

特別高圧太陽光発電システムは、定格出力が2,000kW以上の太陽光発電を指します。

一般的に「メガソーラー」とも呼ばれています。

また、「交流電圧、直流電圧ともに7,000Vを超える」という条件も、電気事業法によって定められています。

また、特別高圧に該当する太陽光発電設備を設置する場合、加えて以下の義務が発生します。

  • 設置工事の30日前までに、工事計画届出書を届け出る義務

特別高圧太陽光発電システムのメリット

  • 高圧よりも、1kWあたりの導入単価が更に小さい
  • 発電量が膨大なため、非常に高額な売電収入が期待可能

まとめ

低圧電力・高圧電力・特別高圧電力は、電圧の分類です。

電圧の大きさによって、法律に基づいて区分されています。

多くの電力を必要としない一般家庭では、低圧が利用されています。

また、多くの電力を必要とする企業や施設では、高圧や特別高圧が利用されています。

近年、メガソーラーを売却、購入したいという、オーナー様が増えてきております。

太陽光発電を設置する場合は、電圧ごとの特徴やメリットを理解した上で設置することが重要です。

簡単ではありますが、低圧・高圧・特別高圧について、ご理解いただけたのではないでしょうか。

今回の記事が少しでも、役立つ情報になれば幸いです。

監修

エネワールド株式会社 お客様サポート部 岸上朋子
エネワールド株式会社 お客様サポート部
岸上朋子

太陽光オーナー様のための、業界全体に切り込む巨大コミュニティになることを使命として、「REX」を運営しています。
入社以来、大規模太陽光発電所や、移り変わる法改正について学んできました。

日々、日本全国のオーナー様と太陽光についてお話させていただく過程で、地方ごとに悩みも要望も全く異なることを知り、各オーナー様に合ったサポートが必要だと感じております。

REXを通して、全国のオーナー様同士の情報共有による、知識の底上げが出来るようにしたいと思います。
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